3月16日の北陸新幹線加賀温泉駅の開業に合わせ、加賀市が同駅高架下で今秋整備する交流施設に設置する「駅ピアノ」が仕上がった。自動演奏機能付きのアップライトピアノに満開の桜が山中塗の蒔絵で描かれている。加賀温泉郷の玄関口で駅利用者を華やかに迎え、自由に演奏してもらい優雅な音色でもてなす。
加賀ロータリークラブが創立50周年記念事業として加賀市に寄贈する。
加賀RCが中央公園を桜の名所とするため、1982年にスタートさせ、20年かけて達成した「千本桜事業」をイメージし、山中塗を広く発信する意味も込め、ピアノに近代蒔絵で満開の桜を描いた。
近代蒔絵は、大下美術工房=同市山中温泉上原町=社長で蒔絵師の大下圭吾さん(58)が手掛けた。山中漆器連合協同組合の竹中俊介理事長から依頼を受けた市美術作家協会次席顧問で一水会委員の長谷川清さん(84)=同市山中温泉塚谷町=がデザインを監修した。
北陸新幹線が敦賀に延伸開業する16日、加賀温泉駅前のアビオシティ加賀セントラルコートで寄贈式が行われ、駅ピアノがお披露目される。
ピアノは、市が11月のオープンを目指して加賀温泉駅高架下に整備を進める「にぎわい交流施設」に設置予定で、それまでは市美術館に仮置きする。
創立50周年記念事業委員会の下荒隆晴委員長は「加賀ならではのおもてなしとして、観光客や地元の皆さんに山中塗の技で描いた満開の千本桜とピアノの音色を楽しんでほしい」と話した。